Youtube解説:速報!アストラゼネカがアレクシオンを買収
ソリリスとその後継品ユルトミスを中心にRare Diseasesの領域でビックファーマとは違った存在として君臨するアレクシオンファーマです。この企業の展望を見ていくと、よほどの事がない限り2030年程度までの経営は安定的に推移するのではないかと感じました。
Alexionについて
【PNH,aHUS,MGの特効薬:ソリリス】
アレクシオンファーマの主力製品は何といっても「ソリリス」です。アメリカでの薬価は$500,000(年間)【日本では4000万円(年間)程度】です。この薬剤は発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬として開発されました。このPNH患者は免疫系統のコントロールができないとされ、血栓症のリスクが上がると言われております。これに免疫系統の一部であるC5タンパク質を阻害する物質を投与するとこのリスクが下がることがわかっています。まさに、このPNHに対する特効薬でこれ以外にも非典型型溶血尿毒症症候群(aHUS)や、全身型重症筋無力症の治療へも応用されています。
【ソリリスの後継品「ユルトミス」】
その唯一無二の特効薬ソリリスですが、2023年程度よりバイオシミラーが発売される可能性があります。(アレクシオンは、2027年まで特許が有効であることを主張しています。)しかし、本年「ソリリス」の後継品である「ユルトミス」を上市させました。ユルトミスの作用機序はほとんどソリリスと同じですが、「効果がより高い」「副作用がより少ない」「薬価が若干安い」(グローバルの販売ユルトミスの薬価は、$458,000(年間))という3つの特徴を有しており、アレクシオンはバイオシミラー上市(の可能性がある)の2022年までにソリリスから完全なる切替(Conversion)をすると豪語しています。
Alexionの経営課題

各エリアの売上シェア

財務データ


Alexionの主要製品
最主力3製品

主力製品の主要製品の四半期売上

主力製品の中長期売上(予測)


AlexionのR&D
主な後期フェーズ開発製品一覧


日本:ソリリス→ユルトミス切替戦略


アレクシオンとアムジェンの関係
2019年8月にアレクシオンとアムジェンの合併の話が突出し、市場はざわつきました。アムジェンは、アレジオンのソリリスのバイオシミラーを開発していたので、合併すれば株主からすると、バイオシミラーによるソリリスの浸食を免れるとポジティブな反応もありました。
その話に水を差したのが、BMSによるセルジーンの買収です。BMSはセルジーン買収後のセルジーンが保有していた有望な乾癬治療薬「オテズラ」を反トラスト当局の合併計画の承認を得るために売却せざる終えなくなりました。
BMSがオテズラと競合する乾癬治療薬を開発中だったためです。そこで、このオテズラの取得するために飛びついたのが、アムジェンでありその金額は134憶ドル(約1.4兆円)です。新たに有望な新薬を手に入れたことで経営戦略が変更になり、アレクシオンとアムジェンの合併の話は立ち切れになりました。そこで再燃したのが、アムジェンによるソリリスのバイオシミラー上市の件です。
-
-
1.4兆円で買い取られた薬剤 オテズラ(otezla)とは?
本日は、BMSのセルジーン買収に伴い発生した製品の大型買収で有名になった「オテズラ」に関して掘り下げていきます。1つの製品買収に1兆円以上の金額を投じたアムジェンの狙いとその投資に見合う見返りはあるの ...
続きを見る
ALEXIONの国内MRに
アレクシオンといえばMRの不適切なプロモーションの問題で一時期多くの医師や行政関係者からのバッシングが多かったですね。ただし、扱っている製品は確実に医療に貢献できるものですし、唯一無二なものです。日本に関しては特に、ソリリスの特許戦略が奏功し2027年程度までバイオシミラーの上市もないようなので、その時までに時間をかけて後継品である「ユルトミス」への切替が進めばかなりの期間安定的に業務ができそうです。個人的には、アレクシオン社に入社するチャンスがあり、チームの人数など関係がなく個人でやっていける自信のある方は絶対的に転職すべきだと思いました。
注意:買収/合併リスクは高い?
このように一見、経営的に安定している様に見えるアレクシオンですが、先にアムジェンとの合併話が出ている様に、合併や敵対的買収の話に巻き込まれる可能性は高いと思います。アメリカ企業は株主が絶対(本来ならな日本もどこも、株主絶対なのですが)なので、買収や合併により企業価値が上がると判断されれば経営者は快くその話に快く賛同します。個人的には、サノフィジェンザイムなどと合併されれば、オーファン領域に君臨するメガファーマになれると感じています。現状は、ソリリスによって得られた莫大な利益により、様々な製薬会社を買収しているので母体自体が大きくなってきています。2019年11月現在の時価総額は2.4兆円程度ですので比較的まだ買収しやすい金額です。(買収プレミアム40%として、3.3兆円程度での買収が可能?) アムジェンとの合併がなしが頓挫?した現在あらたな大型買収、合併の噂には注目すべきかもしれません。
米バイオ医薬品アレクシオン、身売り拒否-エリオットが提案(Bloomberg) - Yahoo!ニュース https://t.co/N2Wfaghpuk
— PharmaValue | 製薬会社の将来 (@pharma_value) December 9, 2019
【人気記事】 営業車で暇な時におすすめの動画配信サービス8社を徹底比較!
【人気記事】 おすすめ転職サイトに登録して情報収集から始めてみよう!
【人気記事】 製薬業界の将来や自分の立場に不安がある人が、まずはじめにするべきこと
【人気記事】 2010年代 国内売上トップ10製品を振り返る!