こんにちは、製薬さんです。今回はヘパリーゼでおなじみの「ゼリア新薬」を研究したいと思います。
YouTube解説
ゼリア新薬の企業研究
ゼリア新薬の現状ですが、内資系製薬会社の中でも最も企業継続が可能かどうか瀬戸際になる会社の1つであることがわかりました。
医療用医薬品のセグメント:来年もしくは再来年にはセグメント利益が消失しそうなトレンドであり、このままですと研究開発費に投資することもままならなくなり、事業部ごと消滅という末路も見えてきそうです。
OTCの事業部:ヘパリーゼを筆頭に安定した状況を保っていますが、こちらの事業部の業績も落ち込むような事があれば会社そのものごと破滅の道をたどるでしょう。→コロナウイルスのせいで外での飲み会が減りヘパリーゼの消費量も減少か??
【ゼリア新薬の現状】
ゼリア新薬の経営課題
- アサコールの売上死守(リアルダ、後発品との闘い)
- プロマック/アシノンなどの小型製品の発売中止か移管(推奨)
- ゼンタコートの価値最大化
- 消化器領域の製品を導入する
- MR人員は150名程度で十分(余剰人員はOTC事業へ)
ゼリア新薬の業績を改善させる方法としては、アサコールの後発品からの売上死守(薬価は大きく下がっていくが・・・・)、ゼンタコート、アコファイド、ファインジェクトの売上最大化、そしてMR数を150名体制にして訪問施設の選択と集中を行う、それに加えて後発品が既に販売されていて売上も20憶を切っているプロマック、アシノンの販売中止。これらを行う事で、販管費を抑えて売り上げを限られた資源で最大化できるのではないかと思います。
ゼリア新薬の財務データ

ゼリア新薬の主要製品
主要製品の四半期別売上推移

主要製品の売上中長期売上(予測)

【更新】「アサコール」協和キリンとの共同販売終了→ゼリア新薬の1チャンネルに(協和キリン販売額:34億円)
ゼリア新薬のR&D

ゼリア新薬ってどうよ?
MR→OTC部門への異動人事
2018年には、MRとして所属していた300人程度のMRのうち約1/4の社員がOTC部門へ異動になったようです。おそらく、最初の3~5年はMRであった時の年収を保持するような約束での転籍になったと思いますが、OTCは製薬部門と異なり利益率も悪いのでMRと同額の年収を払うことはできません。OTC部門に移った方の年収を徐々にMRからOTC業界のものに調整していくか、会社全体としてある程度の比率の年収をダウンさせて傷をみんなで分かち合うかどちらかになると思います。
国内MR事情
現状の会社の状況を鑑みるとこれから上向く兆しはありません。また、この企業にいても上市される新薬は、革新的なものは全くなく既存の薬剤に少し付加価値を付けたもののみです。できるだけ早く小さな外資系や、大量に募集している新薬上市直前の企業に転職するのが良いと思います。消化器領域(潰瘍性大腸炎・クローン病)などの知識があるのであれば、TNF-α製剤、JAK阻害薬などを扱っている企業への転職は可能かもしれません。どう考えても2025年~27年くらいまで暗黒の時代を過ごすことになると思いますし、その後は漆黒の時代に突入する可能性もあります。
ゼリア新薬の5年後・・・
残念ながらゼリア新薬の5年後はOTCメーカーとしてコンドロイチンとヘパリーゼを中心に扱う総合コンシューマ医薬品メーカーに変化を遂げていると思います。どう考えても現在の資金力で新薬を上市することは困難であり、既存の処方箋医薬品の売上を維持するのもとても困難です。
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