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ノボノルディスクとMSDが日本国内でコプロを発表した2型糖尿病治療薬 経口セマグルチドとは?

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ノボノルディスクとMSDが日本国内でコプロを発表した2型糖尿病治療薬 経口セマグルチドとは?

プレスリリースの内容

ノボ ノルディスクファーマは12月9日、2型糖尿病の適応で申請中の経口GLP-1受容体作動薬セマグルチドについて、MSDと国内での販売提携契約を結んだと発表した。ノボが承認を取得後、両社共同で情報提供活動を行う。GLP-1受容体作動薬はすでに複数の注射剤が販売されているが、同薬は初の経口薬(1日1回投与)。米国では今年9月に承認を取得している。

世界の糖尿病治療薬マーケット(作用機序別)

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経口セマグルチドについて

セマグルチドは、生体内で分泌されるホルモンである GLP-1のアナログです。経口セマグルチドは、サルカプロザートナトリウム(SNAC)と呼ばれる吸収促進剤を含有した製剤であり、SNACは胃でのセマグルチドの吸収を促進することにより、セマグルチドのバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)を高め、効果的な経口投与を可能にします。

承認申請データ

経口セマグルチドの国内での医薬品製造販売承認申請は、日本人1,293人を含む9,543人の成人2型糖尿病患者が参加した、グローバル臨床開発プログラム(PIONEER)(日本人を対象とした2つの国内第3相試験を含む)に基づいています。日本人2型糖尿病患者が参加した臨床試験において、経口セマグルチドを単独、経口血糖降下薬との併用、またはインスリンとの併用で投与した結果、臨床的に意義のあるHbA1cの低下が認められ、より多くの患者を適切な血糖コントロールへと導きました。また、PIONEERプログラムの全試験を通じて、経口セマグルチドは良好な忍容性を示し、高頻度で認められた有害事象は胃腸障害に関連する事象でした。

注射と経口のセマグルチド

国内では既に、オゼンピックという製品名で週に一回の注射のセマグルチドが承認販売されている。それに加えて今回は、経口のセマグルチドであるリベルサス(Rybelsus)のコプロ契約であり、世界初めての経口GLP-1受容体作動薬という事で世界的に注目されているノボノルディスクの次世代の屋台骨である。

経口セマグルチド 「リベルサス」 のポテンシャル

この経口セマグルチド「Rybelsus」ですが、ピークセールスが3,000億円~6,000億円程度まで行くであろうという予測がアメリカのアナリストよりされていました。

経口製剤という事で競争優位性はあるもののGLP-1受容体作動薬というカテゴリー自体が、他のDPP-4やSGLT-2と差別化できていないのが一番の難点です。現在は、インスリンを除くシェアは一位になってますが、まだまだDPP-4の市場も大きいのが現状です。

今後この経口製剤という特徴を活かして独自のポジショニングを確立して、GLP-1作動薬のカテゴリ内シェアを上げるとともに、どれだけDPP-4、SGLT-2のカテゴリ内まで浸食できるかが課題になってくると思います。マーケティング部門の腕の見せ所ですね。



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