こんにちは、PharmaValue(@pharmavalue)です。今回は、複数名の方々からTwitterで直接依頼を頂いた参天製薬の企業研究です。
参天製薬といえば、日本最強の「眼科特化の製薬企業」で「1MRあたりの売上高がとても高い製薬企業」というイメージがあるのではないでしょうか。皆さんのイメージが正しいようであれば、将来の見通しも明るいのでしょうか?一緒に見ていきましょう。
参天製薬の企業研究
参天製薬の現状
参天製薬の財務データ

2017年からの直近の財務データを確認すると、収益は右肩上がりで営業利益も400億円後半から500億円に到達しそうな状況だね。
利益剰余金は2500億円を超えている。2020年1月現在の時価総額は8500億円ていどと1兆円に到達しそうな状況で、財務的な観点からみたら健康的な企業といえそうだね。

地域別売上収益シェア(2018年)
売上収益の地域別シェアを見てみると、日本が約70%を占めており日本のビジネスが傾くと会社全体の経営も傾く可能性があります。
中国事業に近年ちからを入れている様ですが、どこまで中国の売上を伸ばせるのかも将来の参天製薬のカギになりそうですね。

参天製薬の課題

アイリーアの日本国内の販売契約延長を先日バイエル社と締結しましたが、その契約が何年まで延長しているのか?不明瞭だね。そして加齢黄斑症治療の強力なライバル製品がノバルティス社から上市される予定なのでそこもリスクだね。

参天製薬の売上収益と利益の推移

参天製薬の主力製品
最主力3製品
最重要な主力製品は下記の3製品だ。「アイリーア」「アレジオン」「ジクアス」。
「アイリーア」はバイエル、「アレジオン」はベーリンガー、「ジクアス」はMSDにそれぞれ販売ロイヤリティを支払うことで国内の販売権を得ている製品群となる。
利益率をさらに上げるために、自社製品の上市が望まれるね。

日本国内での主力3製品とその他の薬剤の売上シェア(2018年)
国内の参天製薬MRの方々は日々感じているかもしれませんが、この最主力3製品で国内売上の55%を占めている。どの製品も2010年~2013年に発売され成熟した製品なので今後後発品や次世代の競合品との競争が厳しくなることが容易に予想できる。

主力製品の四半期別売上推移

主力製品の中長期売上(予測:グローバル)
点眼薬の後発品浸透率や、競合メーカーとの競争優位性、特許期間などを含めて検討すると、他の製薬会社より中長期の予測が難しいと感じた。
また、国内で特許が切れた製品、例えばクラビット点眼などは中国での販売高が好調であるので、国内での販売減を補える状況に好転している。
中国国内での点眼薬に対する保険償還、マーケットアクセスなどの状況は日々変化しているので、四半期ごとの中国ビジネスの売上推移には注目したい。

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主力製品の中長期売上(予測:日本国内)
国内MRの方、MRを目指す方注目
やはり気になるのが国内の販売の動向だね。アイリーアの契約延長期間はいつまでなのか?すべてはその内容にかかっている気がします。国内の参天製薬の1MR毎の売上高が大きいのはこのアイリーアを持っているからです。このアイリーアの共同販売が終了した時に、ガクっとその売上高は落ちると予想します。
ただ、眼科領域の国内販売網を持つ外資系製薬は少ないので、それらの企業が自社で開発した点眼薬を参天製薬に国内販売を依頼してくる機会は今後も多いと思います。BD(事業企画)やライセンス部門の方々の腕の見せ所ではないかと思います。

アレジオン点眼:参天アイケア株式会社がAGを承認取得か?
参天製薬のR&D
参天製薬の後期開発製品一覧

参天製薬に対しての製薬さんの考え

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