2014年12月に、アメリカの製薬会社「アバニア」4200億円という巨額買収を試みた大塚製薬ですが、急性片頭痛薬「オンゼトラ」の販売権返還に伴う減損損失や、情動調節障害治療薬「ニューデクスタ」の過去の販促活動に関する米国司法省との和解費用計上によりレイオフ実施。#大塚製薬 #アバニア https://t.co/5ZxuykbLjC
— PharmaValue | 製薬会社の将来 @ ヨーロッパ駐在員 (@pharma_value) January 10, 2020
大塚製薬のアバニア社買収劇(2014年)
2014年に、大塚製薬がTOBにて買収を行なったアメリカの製薬会社「アバニア」社であるが当時売上は100億円弱であり割高買収や、高値掴みと揶揄された。
大塚製薬側としては、当時の販売製品よりもアバニア社が研究開発中の化合物と大塚製薬のビジネスとの間にシナジーを得られると考え買収に踏み切ったとされている。
その買収額は、約4200億円とかなりの巨額買収であった。
アバニアに苦難
買収後もアバニア社が買収前に上市していた製品群で多々問題が発生した。
まず、急性片頭痛薬「オンゼトラ・エクセル」は、その製品特性が競合品との差別化ができずに販売権返還し減損処理をせざるを得ない状況となった。その額115億円。(2019年計上)
そして昨年は、同社の情動調節障害治療薬「ニューデクスタ」の過去の販促活動に関する米国司法省との和解費用などを計上。100億円(2019年計上)
買収の本来の目的「AVP-786」
大塚製薬が、巨額の金額を叩いて買収した最も大きな理由は、「AVP-786」とされている。
AVP-786は、ニューデクスタと同様の化合物であるが「デキストロメトルファンを重水素化 することで、生体内での安定性を 高めた」ものとされており、革新性はその製剤自体というよりも取得しようとしている「適応症」にある。それは、アジテーションだ。
アルツハイマー型認知症に伴う行動障害(アジテーション)を対象とした第3層試験を3本行なっており、既に2本の結果が発表になり、△(効果判定曖昧)と×(失敗)となっている。3本目の試験実施が発表になり、試験結果は2021年6月ごろに発表になる予定。
もし、この結果を受けて申請要件に満たしていないと判断されればさらに800億円〜1000億円の減損計上が発生しうるとされている。ただし、成功ということになれば、マーケットは正にブルーオシャンでありブロックバスター化は容易であると見られている。
今回のアバニア社のリストラ発表のニュース
今回、その問題が多いアバニア社であるが本年1月20日付でレイオフを発表したとのこと。2021年のAVP-786のPhase 3発表まで我慢の日々が続くとされています。発表後は地獄になる可能性もありますが。
総括
アバニア社の買収の成否に関しては、2021年のAVP-786の3本目のPhase3試験結果を待ってからの判断になりそうだ。
現在は、4200億円買収時に支払い、減損計上を繰り返し、片頭痛薬「オンゼトラ」の販売権返還と踏んだり蹴ったりの状態。しかし、1発逆転の可能性はまだ残されている。
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