こんにちは、PharmaValueです。
ラツーダのパテントクリフが最大の課題である「大日本住友製薬」の企業研究です。
Youtube解説
① ラツーダの特許期間内での価値最大化
② ポストラツーダの探索
開発品目の中で当初一番ラツーダの後継品として有力だったのは、抗がん剤の「ナパブカジン」である。
しかしながら、臨床試験であまり良い結果を得られておらず、試行錯誤している状況です。
国内のMR数が多すぎるのも問題で、国内販売額1300億円弱(コア製品売上800億円~900億円)にも関わらずMR数はリーダー含め1300人程度。
MR1名当たりの売上は、1億円程度と他社と比較しても生産性が低いのは明らかです。
オンコロジーMR50人、ジェネラルMR250人、中枢神経300人の600名で十分です。
【大日本住友製薬の企業研究】
それでは、各項目に関して説明させて頂きたいと思います。
大日本住友製薬の現状
大日本住友製薬の沿革
2005年:大日本製薬株式会社が住友製薬株式会社を合併し、「大日本住友製薬株式会社」に商号変更。
Executive Summary

現状は、売上収益の40%を占める、「ラツーダ」の特許切れが2022年に迎えることを念頭にポストラツーダの獲得、開発に集中しているのが現状である。期待の抗がん剤「ナパブカシン」は、臨床試験を失敗し大きく製品価値を落としている。また、国内におけるラツーダの開発では、効果があるはずなのに国内で2度もフェーズ3を失敗し3回目でやっと申請に漕ぎ着ける。その他にも、自社での開発は失敗続きであり経営陣もしびれを切らして後期ステージの薬剤を多く抱えるロイバント社との戦略提携に至った。しかしながら、このロイバントが抱えている薬剤は、他社が戦略的な事情により開発を途中で断念したものばかりである。これが吉と出るか凶と出るか注目です。
各エリアの売上シェア


企業情報

ROIVANT社との戦略的提携


大日本住友製薬の主要製品
大日本住友の3大主要製品

最新の決算内容:解説
主要製品の四半期別売上推移

とにかくラツーダへの依存度が高い

主要製品の中長期売上推移(予測)




Youtube解説:レルゴリクスの大型提携
大日本住友製薬の研究開発


大日本住友製薬の将来
基本的には、ここ1〜2年は様子を見ないと物事が言えない状況です。もしこの2年のうちに現在開発中の薬剤の価値が落ちるような臨床試験結果が得られるようだと2023年以降、大きな事業縮小が待っていると思います。田辺三菱製薬と同様に、大株主で財閥である住友化学の1事業部に成り下がる事も大いに可能性があると思います。
大日本住友製薬のMR
現状、大日本住友製薬のMRの方はとても悩ましい状況だと思います。オンコロジー部門は鳴かず飛ばずで、導入品はプライマリー領域(特に糖尿病)ばかり。また主力品の特許切れを迎え後発品対策の日々、本当にモチベーションの維持が大変だと思います。中枢MRの方はロナセンテープとラツーダをこれからディテールできるので鼻息荒いかもしれませんが、中枢領域も大塚製薬、ヤンセンなど強豪が多く大変な日々だと思います。将来は、決して明るくありません。チャンスがあれば転職も覚悟した方が良いと思います。まずは、転職事情の情報収集を行う事です。
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