リポビタンDで有名な大正製薬ですが、富山化学の株式の売却やリストラの実行などで再出発しました。リポビタンD、パブロンを中心とするSM(セルフメディケーション)事業は好調のようですが、医療用医薬品事業は、今後も見通しは暗そうです。
大正製薬の現状
大正製薬の経営課題は…
- 整形領域の新薬の価値最大化(抗TNF-α)
- 海外導出製品の開発
- セルフメディケーション事業で海外収益源の獲得
- MRの人員整理

大正製薬の売上収益、営業利益の推移


大正製薬の利益剰余金ですが、現在7000億円あり流動資産も相当ありますので、経営的には安全であると思います。そして、セルフメディケーション領域では売上、利益ともに順調に推移しており、セルフメディケーション領域から得る利益は300億円にたっしております。ここに、医薬品事業の利益が乗ってくるとより経営的に安定すると思います。現在は50億円程度なのでこれを200億円程度にもっていけると良いと個人的に思います。
事業部別の売上と営業利益

主要製品の四半期別売上推移

主要製品の年間売上推移(予測)



・ルセフィ: ノバルティス ファーマとの販売提携終了(2019.10.30)
・「エディロール®」の中外製薬との販売提携終了(2021.1.22)
・抗TNF-α「オゾラリズマブ」国内申請(2021.3.22)
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大正製薬の開発製品パイプライン

現在の開発製品ポートフォリオを確認すると、最近国内販売権を獲得したテルビナフィン(爪白癬)や関節リウマチ(抗TNF-α)、不眠、うつ病、統合失調症治療薬があります。
爪白癬の分野ですが、科研製薬(クレナフィン)やヤンセンファーマとの攻防やその製品群の後発品とどれだけテルビナフィンが差別化できるのか、が重要になります。テルビナフィンは現在、アメリカとヨーロッパでPhaseⅢを行っているようなので、その結果を見てどれだけ有望なのかが判断できると思います。
関節リウマチの候補品ですが、抗TNF-α(Ozoralizumab)ですが、これもレミケード、ヒュミラなどや、そのバイオシミラーとどれだけ差別化できるのか疑問になります。もともとこの薬剤は、Pfizerで開発されたようですが、その開発を断念した後、Ablynxという会社が受け継いで大正とアライアンスを結んだようですね。うつ病、統合失調症、不眠もかなりの競合品とその後発品でひしめいているので、今後の臨床試験結果を見てどれだけ経営に寄与するのかが判断できると思います。
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