こんにちは、PharmaValueです。
オプジーボで一躍本格派のオンコロジーメーカーとなった小野薬品。キートルーダからのロイヤリティ収入も得られることが決まり、PD-1からの利益を余すことなく得られる公算がついた。あとは、PD-1以外の収入源を得る事と、次世代の大型新薬発売時には自販できるアメリカの販売体制の構築さえできれば2040年程度までの経営は安定するのではないか?と思われる。ただし、オプジーボとキートルーダのロイヤリティ収入が得られることが決まっており、どこかの企業に敵対的TOBをされないのか?心配になるところである。
YouTube解説
小野薬品の企業研究
小野薬品の現状
小野薬品の経営課題

小野薬品の財務データ

小野薬品のオプジーボ、キートルーダへの依存度



各エリア別の売上シェア


小野薬品の重要製品
主要製品の四半期別売上推移

国内のオプジーボの売り上げが重要だけど、キートルーダなど競合品の台頭、市場拡大再算定による薬価引き下げなどあり、頭打ちになっているね。今後これ以上、国内のオプジーボの販売額を増やしていくのは厳しいのでは?と思わされてしまうね。

主要製品の中長期売上(予測)

オプジーボ以外では、グラクティブやフォシーガなどの糖尿病領域の製品が国内収益を支えているけど、DPP-4製剤の後発品上市、経口GLP-1アナログ製剤の上市など更なる競争激化が予想されているので、糖尿病領域からこれ以上売上を上げていくのは難しいのでは?と思うよ。がん悪液質治療薬候補の「アナモレリン」に期待していたけど、承認を得るのに難渋している状況だ。

(新規)アテゾリズマブ(テセントリク®)に関するライセンス契約締結
小野薬品の研究開発

小野薬品の強み
小野薬品の強みは、やはり「オプジーボ」と「オプジーボ」を中心とした他のオンコロジー製品です。
これに加えて、「キートルーダ」のロイヤリティ収入の権利を得られたのは大きいと思います。2025年に両薬剤とも1兆円を超えるグローバルセールスが予測されているので、2025年のオプジーボ自社売上+オプジーボロイヤリティ収入+キートルーダロイヤリティ収入を合わせると約2000億円になる予定です。
こちらのサイトでオプジーボとキートルーダより得られるロイヤリティ収入の将来予測を行なっております。ご参考にしてください。
PD-1より得られるであろう2025年までの固定収入にどこまで他の収入源を加えられるか?それが小野薬品の課題です。また、気になるのがオプジーボのアメリカでの特許期間と、特許切れのあとの後発品浸透率です。PD-1製剤の後発品開発の可否は不透明です。
総括:小野薬品
小野薬品のロイヤリティ収入(オプジーボ、キートルーダ)に関しては、今後も安定したロイヤリティ収入を得られると予測する。しかし、オプジーボの国内売上に関しては競合品の台頭により徐々に減少していくのではないかと危惧する。
ただ、利益に関しては急激な減少は無いと予測されているので現在ある利益剰余金と共に次の投資先(有力な製品の導入、企業買収など)に注目したい。
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