こんにちは、@PharmaValueです。今回は、武田薬品です。
言わずと知れた国内トップ企業であり、外国人社長の登用やシャイアーの大型買収など何かと世間をざわつかせている。
かつては、抗潰瘍薬「タケプロン」、高血圧薬「ブロプレス」、糖尿病薬「アクトス」、前立腺がん薬「リュープリン」などの自社創薬ブロックバスター群を要して一躍トップに躍り出たが足元は、予断を許さない状況である。
武田薬品の企業研究
武田薬品の現状
武田薬品の財務データ

武田薬品の経営課題

バランスのとれた売上シェア
現在の地域別の売上シェアを見てみると、日本国内が29%、北米36%、ヨーロッパ、新興国がそれぞれ19%、16%とバランスのとれたポートフォリオを形成している。
小分子治療薬中心の製品群を展開している武田薬品にとってこのバランスは、とても重要である。一般的に、小分子薬の特許切れ後のジェネリックへの変更率、浸透率は驚くほど早く、アメリカではそれが顕著である。
そういった意味で、特許切れの各国間の時差(1年、2年の違い)は経営者からするととても重要であると考えられる。

売上収益の推移
売上収益であるが、2018年は第4四半期のみシャイアー製品の売上の上乗せが発生しているが本格的に売上が増加するのは、2019年からである。

武田薬品の主要製品
武田薬品の最重要3製品

主力14製品の2019年売上結果

エンタイビオ
ピークセールス 5000億円弱と予想されている。
製品説明
エンタイビオ(海外製品名:エンティビオ)は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎またはクローン病に対する治療薬として、現在60カ国以上の国で承認を取得しています。
潰瘍性大腸炎は、炎症性細胞の大腸粘膜への浸潤が増加し、これらの炎症性細胞の存在によって潰瘍性大腸炎に特徴的な炎症性反応が引き起こされます。
本薬は、炎症を起こしている腸管組織に炎症性細胞の一種であるTリンパ球の遊走を阻害することで、炎症を軽減するようデザインされています。細胞接着分子であるMAdCAM-1は腸管の血管内皮に選択的に発現しており、一方α4β7インテグリンは循環血液中のある種の白血球サブセットに発現しています。
本薬は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンとMAdCAM-1との相互作用を阻害することにより、炎症を起こした腸管組織へのTリンパ球の遊走を抑制し、炎症を軽減します。(武田薬品HPより)
ニンラーロ
ニンラーロ®は、多発性骨髄腫治療に用いられるプロテアソーム阻害薬という種類のおくすりです。骨髄腫細胞は、細胞内にあるさまざまなタンパク質のはたらきによって、分裂、増殖を繰り返していきます。役割を終えて不要になったタンパク質は、プロテアソームという酵素によってバラバラに分解され処理されます。プロテアソームの作用を阻害すると不要になったタンパク質が分解されなくなり、その結果として骨髄腫細胞を死滅させます。ニンラーロ®は、プロテアソームを阻害するおくすりです。(武田薬品HPより)
ビバンセ
ピークセールス 3000億円弱と予想されている。
本剤は、1日1回投与のドパミン/ノルアドレナリン遊離促進・再取り込み阻害薬であり、プロドラッグテクノロジーを用いることにより、投与後に体内で徐々に活性体に変換され、活性体の急激な血中濃度上昇を抑制するとともに、その血中濃度を持続的に維持することを目的とした製剤です。
主要製品の四半期別売上推移

主要製品の中長期売上推移

更新(2019.12.23) 「エンタイビオ皮下注製剤」FDA承認見送り!
https://www.takeda.com/jp/newsroom/newsreleases/2019/20191223-8120/
武田薬品の研究開発
研究開発費推移

主な後期フェーズ開発製品一覧


武田薬品が投入する有望な新薬候補12製品「ウェーブ1」
2020~24年度を承認目標とする有望な新薬候補12製品14効能を「ウェーブ1」と名付けて発表した。
各品目ピーク売上予想の合計は「保守的に見積もって、100億ドル(約1兆1000億円)を超える」
ウェーブ1で注目すべきは12製品中10製品(効能別では14効能中12効能)までもが、買収先企業が創製または開発していた製品であったり、買収先以外の他社からの導入品であったりすることだ。
米ミレニアムは08年に約9000億円で、米アリアドは17年に約6000億円で、アイルランド・シャイアーは19年に約6兆円で買収した製薬会社だ。
一般的に自社創製、自社開発の方が利益率は高く、製品が大型化した際のリターンも大きい。
新薬メーカーとしては、自社から有望な製品を生み出せない状況は誇れないはずだ。
https://diamond.jp/articles/-/221691
自社創薬の期待の星「TAK-925」
武田薬品工業の注目の新薬候補はナルコレプシー治療薬「TAK‐925」。ナルコレプシーは居眠り病とも言われ、日中に居眠りを繰り返したり、喜怒哀楽の感情が激しい時に顔や首、手足の力が急に抜けたりする慢性の神経疾患だ。病気を理解されず、退職や転職を余儀なくされる人も少なくない。患者は世界で約300万人と推計されている。
直近の臨床試験結果では、ナルコレプシー患者にプラセボ比較試験を行いプラセボ投与の13人では平均2.9分で入眠したのに対し、TAK‐925投与の14人では投与分量によっては検査時間いっぱい(40分)まで起きており、覚醒効果が確認できた。
TAK‐925が業界で注目され始めているのは製品特性だけではなく、武田薬品の自社創薬として“超久々”に、ブロックバスター(年売上高1000億円以上)に製品群が育つかもしれないからだ。
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