こんにちは、製薬さんです。今回は、三菱ケミカルとの親子上場解消を名目に三菱ケミカルの傘下に入り上場廃止を決めた田辺三菱製薬です。
ジレニアのアライアンスフィー凍結、ラジカヴァの売上低迷、新製品の枯渇、これからどうこの苦難を超えることができるのか?
これにより田辺三菱製薬の行方はどうなるのか?MRの処遇などの変更は?目が離せません!
田辺三菱製薬のニュースリリース
・2020年8月26日 腎性貧血治療剤「バフセオ」新発売
・2020年6月26日 ヒト化抗CD19モノクローナル抗体製剤イネビリズマブ(MT-0551)国内承認取得
新中期経営計画(21'-25')解説動画
田辺三菱の企業研究
田辺三菱製薬について
田辺三菱製薬の現状
田辺三菱製薬の現状は、立ち行かない状態になっていると推測します。
ジレニア、インヴォカナのロイヤリティ収入が潤沢だった時代に次の候補品目が開発できなかったのが大きな失敗だったと思います。
ラジカヴァは、投与サイクルの問題であまりアメリカで浸透できていません。ここで、三菱HDへの完全子会社化が決まり、一度体制を整えられるチャンスが得られたと思います。
田辺三菱の経営戦略
- レミケード、ステラーラ、シンポニーの価値最大化
- ラジカヴァ経口薬の開発成功と市場への浸透
- バフセオの売上拡大
- 三菱ケミカルHDの他部署とのシナジー
田辺三菱の財務データ

近年の売上収益の推移

各エリアの売上シェア

田辺三菱の主要製品
主要製品の四半期別売上推移



主要製品の中長期売上推移(予測)

レミケード、シンポニー、ステラーラのJ&J三製品の売上は非常に大きいウエイトを占めているね。
海外製品は、ラジカヴァが経口薬上市後の巻き返しに期待だね。

田辺三菱のR&D




田辺三菱製薬の今後
田辺三菱製薬の2020年以降の経営はとても難しい局面を迎えると思います。
ジレニアのロイヤリティ収入の権利が消失し、インヴォカナのロイヤリティ収入の頭打ちです。
国内の販売金額を支える主力製品のほとんどは他社の開発製品(レミケード、シンポニー、ステラーラ)で、今後、契約内容の修正など発生した際は大きく経営が傾く可能性があります。
また、現在の開発品目に目を向けてみても現状、グローバルで大きく飛躍しそうな製品は見当たらず、強いて上げるのであれば、「ラジカヴァの経口剤」程度です。
このラジカヴァの経口薬がブロックバスターになれば経営的にも立て直せるチャンスがあると思います。
他の内資系製薬会社と対等合併があるのか?そこも今後注目です。
田辺三菱製薬の悲劇
ジレニアのロイヤリティ収入問題
もともとジレニア( 一般名:フィンゴリモド塩酸塩 )は、田辺三菱製薬 子会社の吉富製薬とノバルティスファーマが1997年にライセンス契約を行いました。
京都大学の 藤多哲朗教授、三井製糖株式会社と吉富製薬の共同研究から、このジレニアが開発され、全世界における開発権および販売権をノバルティスに依頼したという構図です。
しかし、ノバルティスの方より有効性の一部に疑義が提起され、2019年初めより裁判が行われております。現在の国際会計基準では、こういったリスク下にある資産の計上を行う事を禁じており会計上に計上できないのが現状です。
田辺三菱製薬に対する製薬さんの考え

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