2018年 研究開発費ランキング
日本企業:単位(億円): 海外企業単位($ million)
レート: $1.1 = 1.1スイスフラン = €1 = 120円(2019.11月現在)
Rank | 製薬会社名 | 国 | 2018年 | 2017年 | 2016年 |
1 | ロシュ | スイス | 11,047 | 10,392 | 11,420 |
2 | ジョンソン&ジョンソン | 米 | 10,775 | 10,554 | 9,143 |
3 | アッヴィ | 米 | 10,329 | 5,007 | 4,385 |
4 | メルク | 米 | 9,752 | 10,339 | 10,261 |
5 | ノバルティス | スイス | 9,074 | 8,972 | 9,039 |
6 | ファイザー | 米 | 8,006 | 7,683 | 7,892 |
7 | サノフィ | 仏 | 6,961 | 6,185 | 5,723 |
8 | ブリストルマイヤーズ | 米 | 6,345 | 6,482 | 5,012 |
9 | アストラゼネカ | 英 | 5,932 | 5,757 | 5,890 |
10 | バイエル | 独 | 5,771 | 4,954 | 4,845 |
11 | イーライリリー | 米 | 5,307 | 5,357 | 5,310 |
12 | GSK | 英 | 5,196 | 5,769 | 4,917 |
13 | ギリアド・サイエンシズ | 米 | 5,018 | 3,734 | |
14 | アムジェン | 米 | 3,737 | 3,562 | 3,840 |
24 | ベーリンガー | 独 | 3,480 | 3,386 | 3,423 |
15 | 武田薬品 | 日 | 3,315 | 2,929 | 2,904 |
16 | バイオジェン | USA | 2,597 | 2,254 | 1,973 |
17 | メルクバイオファーマ | ドイツ | 2,447 | 2,319 | 2,174 |
18 | アラガン | 米 | 2,266 | 2,100 | 2,576 |
19 | ノボノルディスク | デンマーク | 2,264 | 2,129 | 2,164 |
20 | 大塚HD | 日本 | 2,161 | 1,756 | 1,688 |
21 | アステラス製薬 | 日本 | 2,087 | 2,208 | |
22 | 第一三共 | 日本 | 2,037 | 2,360 | 2,143 |
23 | テバ | イスラエル | 1,213 | 1,778 | 2,111 |
25 | エーザイ | 日本 | 1,448 | 1,396 | |
26 | UCB | ベルギー | 1,277 | 1,163 | |
27 | CSL | 豪 | 832 | ||
28 | 大日本住友製薬 | 日本 | 829 | 869 | 814 |
29 | マイラン | USA | 705 | 783 | 827 |
30 | 小野薬品 | 日本 | 700 | 688 | 575 |
31 | 塩野義製薬 | 日本 | 683 | 599 | |
32 | 協和キリン | 日本 | 486 | 492 | |
33 | 大正製薬 | 日本 | 226 | 208 | 212 |
34 | キッセイ薬品 | 日本 | 157 | 142 | 139 |
35 | キョーリンHD | 日本 | 108 | 142 | 136 |
36 | 科研製薬 | 日本 | 106 | 103 | 82 |
37 | ゼリア新薬 | 日本 | 49 | 57 | 67 |
38 | あすか製薬 | 日本 | 45 | 41 | 50 |
39 | 鳥居薬品 | 日本 | 41 | 46 |
参照:各企業の有価証券報告書、10-K、Webサイト(macrotrends.net)
単純比較(トップメーカー vs 中堅海外 vs 国内大手 vs 国内中小)

グローバルトップの製薬メーカーは、日本のトップ製薬メーカーの約4倍、中堅メーカーの12倍以上の研究開発費を毎年使用している。研究開発費=新薬獲得とは直接的には言えないものの研究開発費は大きなファクターの1つであることは間違いない。国内内資系製薬会社は5〜6社に限定されるまで合併し、毎年少なくとも1500億円〜2000億円の研究開発費を投じれるスケールまで大きくなるべきである。それができないのであれば、GE、バイオしミラーメーカーとして特化し人件費、営業費などSG&Aを大幅に削減し、Operating Profitをポジティブにする戦略に舵を取るべきと考える。
製薬企業の研究開発費
新薬の開発には、活性化合物(人体に作用する化合物)の発見、化学結合様式に関するシミュレーション計算、それにもとづいた化合物の分子構造の改変など、多くの工程と長い期間を要する。苦難のすえに活性化合物を発見したとしても、その内の9割が先に述べたプロセスで、臨床研究に到達することもなく開発中止となる。さらに臨床研究後にも商品化までには多くのハードルがあり、新薬の開発には1剤で約2,000億円もの莫大な費用が必要となる。
年々新薬開発は難しくなっている
まず、医薬品の研究開発には10年以上の期間が必要そして、成功確率は年々低下している。約10年前は13000分の1の確率で新薬を承認させる事ができたが、現在は約2倍の25000分の1であり難易度が上昇している。
1社当たりの研究開発費:621億円(2004年)⇒1,414億円(2017年)※出典:有価証券報告書に基づき医薬産業政策研究所により作成(大手製薬10社)
新薬の上市に必要な開発費(海外):約1,700億円 ※出典:Tufts Center for the Study of Drug Development Cost of Developing a New Drug
新薬の数は年間50程度
FDAが承認した新薬の品目数の推移であるが、世界の製薬企業が、2018年に創薬に成功した新薬は56品目で2017年は46品目である。これだけ世界の新薬メーカーが莫大な予算をつぎ込んでも年間50品目程度に過ぎない。(FDAより)
年間1700億円は最低R&Dに投資したい
平均1700億円で1つの化合物を得られる(得られた化合物の市場価値はさておき)と単純計算すると、最低限その金額は投資したい。現在のR&D費用がこの50%以下であると、新薬の特許期間なども考慮すると将来的にP/Lがマイナスになるのは目に見えている。以前は、特許満了をした長期収載品目も営業力で後発品との差別化ができ、薬価の減少も限定的であったのでなんとか経営は成り立っていたが今後は確実に淘汰されると思われる。中小の内資系製薬会社は、この年間1700億円のR&Dを投資できる規模になるまで複数の企業連合で合併するべきと私は考える。
製薬企業別の企業研究
各製薬会社の中長期の売上予測や、各製品の特許期間、期待の新薬の情報などまとめております。