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1.4兆円で買い取られた薬剤 オテズラ(otezla)とは?

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1.4兆円で買い取られた薬剤 オテズラ(otezla)とは?

本日は、BMSのセルジーン買収に伴い発生した製品の大型買収で有名になった「オテズラ」に関して掘り下げていきます。1つの製品買収に1兆円以上の金額を投じたアムジェンの狙いとその投資に見合う見返りはあるのか?少し分析してみたいと思います。

オテズラについて

オテズラ(一般名:アプレミラスト)

承認年(US):2014年

作用機序:cAMPに特異的な経口のホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬

PDE4を阻害することで細胞内cAMP濃度を上昇させ、間接的に炎症性メディエーターの産生を調節すると考えられている。

オテズラの特徴:一般的に乾癬治療の1st ステップは塗り薬で皮疹の範囲が広く、塗り薬だけでは難しい場合には免疫抑制剤の飲み薬や生物学的製剤を使用した治療を行うことが多い。生物学的製剤は、効果発現も早く効果も高いが長期間使用することでの副作用、感染症、耐性、腎機能障害などの心配がある。そこに登場したのがオテズラで、塗り薬と生物学的製剤の間に使用することがアメリカでは多いようです。

オテズラの適応症

適応症:尋常性乾癬

    乾癬性関節炎

    ベーチェット病

臨床試験中:Relapsing Multiple Sclerosis(Phase 3)

                  Ulcerative Colitis(Phase 3)

      クローン病(Phase 3)

アムジェンによるオテズラの買収

オテズラの買収金額

買収金額:現金約134億ドル(約1兆4000億円)

アムジェンは、将来の税制優遇措置を考慮した場合、買収総額は112億ドル程度になると説明した。

オテズラの現在値と中長期の売り上げ

オテズラのマーケットシェア 35.3%(2018 Nov) (celgeneプレゼンテーション資料より)

オテズラの売上(2018年):$ 1,600 million

オテズラのピークセールス: $ 2,400 million(予測)

オテズラの特許期間:2028年(US)/ 2024年には投資回収終了予定(2.4B 2024年予測)

上記の様に、2019年に発生する112億ドルは、2024年で回収できるとアムジェンは予想しております。(COGSとNPVの概念は除いて単純計算で。両方を考慮に入れても2025年初旬には回収できると思われます。)そこに、現在Amgenが持っているエンブレルとそのセールスフォースとのシナジーならびに今後上市予定のレミケードなどのバイオシミラー製品などで構成される炎症製品のポートフォリオにこのオテズラを加えられるのはとても大きいと思われます。

買収の経緯

アムジェンによるオテズラ買収の経緯:BMSのセルジーン買収の際に、米国当局から乾癬治療薬オテズラ(一般名:アプレミラスト)を手放す必要性が指摘された。独占禁止法への抵触を審査する米連邦取引委員会(FTC)が抗炎症薬事業での規模拡大に懸念。

アムジェン社の公算

アメリカ市場

アメリカで拡販中のエンブレル($5,000million/year)とそのセールス部隊での営業活動によるシナジーを期待している。エンブレルは、最近の特許侵害裁判で2029年までアメリカでの独占販売が可能になる見通し

日本市場

日本はセルジーンでオテズラ担当をしていた132名が、アステラス・アムジェン・バイオファーマに移籍。日本においては炎症製品とのシナジーはあまり期待できないと思われるが、今後バイオシミラーも上市される予定

将来のライバルは、BMSの製品か?

BMSの保有している化合物である、BMS-986165は、Tyk2阻害薬は、Phase2の試験にてオテズラよりも優れた臨床試験結果を乾癬領域で得たという情報もある。このTyk2阻害薬はBMSの他にもPfizer, J&Jなど複数の製薬会社が研究段階にあり、上市に成功した際は、オテズラのマーケットシェアも下がる可能性がある。

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