Amgen(アムジェン)の企業研究
アムジェンについて
アムジェンについて
アムジェンはアメリカ カルフォルニア州ロンサンゼルス郊外に本社がある世界最大級のバイオ製薬会社です。同社の代表的な薬剤としてエンブレル、ニューラスタ(国内名:ジーラスタ)、プラリア、アラネスプ、エポジェン、レグパラなど、国内では第一三共、協和キリン、武田薬品が販売を請け負い、主力製品として販売活動している製品を導出している。
アムジェンの財務データ

アムジェンの経営課題

アムジェンの売上構成エリアと売上推移
アムジェンの売上推移ですが、現状右肩上がりに毎年少しづつ売上を積み重ねています。売上構成の地域ですが、アメリカが75%以上を占めており、その他のエリア全てという枠組みで20%程度を計上しております。Amgen USの10-K、株主プレゼンテーション用資料を見て気づいたことなのですが、他の外資系製薬会社とは異なり、ヨーロッパ、日本、中国の3極を重点エリアという位置付けではなく、「アメリカ」と「アメリカ以外」という極端な分け方をしているのに違和感を感じました。こういった表現から、以前日本から一度撤退しているように、少し売上の推移が悪ければライセンスアウトして市場から撤退という事も十分にありえる企業であると感じました。


アムジェンの日本法人
日本は、1992年よりアムジェン株式会社として新薬の研究開発を行なっており、2008年より武田薬品とライセンス契約を結びアムジェン株式会社の株式は武田薬品に譲渡された。
その後2013年よりアステラス製薬と合弁会社「アステラス・アムジェン・バイオファーマ」を設立して再び日本の市場に参入した。2020年からは、アムジェンの完全子会社として独立し片頭痛治療薬「Aimovig」が完全独立後第一号の薬剤となる予定である。
アムジェンの主要製品
アムジェンの最重要3製品

主要製品の四半期別売上推移

主力製品群の中長期売上推移
下記が予想される中長期の売上推移ですが、こちらはエンブレルの特許侵害問題による現在の判決(2029年までの特許延長を認める)を含んでの推移です。エンブレルの特許が認められないと今後の裁判で判決が一転すると瞬く間に売上は下降トレンドに突入します。アムジェン株の購入を検討している方は、エンブレルの特許問題に関して注視すべきと思います。

製薬さんの中長期の売上予測はnoteにて開示!
■ エンブレル特許延長?2029年まで??
本来ならば既に特許が切れておりバイオシミラーへの切り替えが加速するところであるが、アムジェンのエンブレルはそうではない、という不思議な状況である。というのもバイオシミラーの開発会社であるSamsung Bioepisなどに対して特許権の侵害並びにエンブレルの特許延長に関する裁判を起こし勝訴したのだ。この判決は。地方裁判所のもののようなので、今後控訴により却下される可能性もあるが、現状では2029年までパテントが延長される可能性があるとのこと!この裁判の前にもアムジェンは、サンド社に対して同じくエンブレルのバイオシミラーの件で裁判を起こし販売差し止めにさせた経緯がある。現在の全体収益の20%以上を占めるエンブレルの売上を是が非でも死守する構えだ。
■ オテズラの製品買収
アムジェンは、現在の製品ポートフォリオの貧弱さに危機感を頂いていたようですが、そこにBMS/Celgeneの買収によりオテズラの製品買収の機会が得られたというチャンスにより約1.4兆円という巨額の買収金額ではあったものの、オテズラの買収を決定しました。現状では2020年〜2024年までの5年間の売上でこれをペイでき、その後特許切れまでの2028年までの売上で利益を積み上げる想定をしているようです。
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1.4兆円で買い取られた薬剤 オテズラ(otezla)とは?
本日は、BMSのセルジーン買収に伴い発生した製品の大型買収で有名になった「オテズラ」に関して掘り下げていきます。1つの製品買収に1兆円以上の金額を投じたアムジェンの狙いとその投資に見合う見返りはあるの ...
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■しかし、オテズラの移管元はオテズラより効果のある製品を開発中
オテズラをBMSより製品買収したアムジェンだが、オテズラより効果が高いという臨床試験結果を得た次世代製品を、譲り渡したBMSから上市予定とのこと。元々、この製品とオテズラを保有していたことでアンチトラストの観点で懸念がありオテズラを手放さなくてはいけなかったBMSだが、保有することを決めた次世代製品が予想通りオテズラより効果が高い様子。
アムジェンの開発製品(パイプライン)
自社製品の多さと、大型製品のバイオシミラーをいち早く開発しているのが特徴である(e.g. ステラーラ、アイリーア、ソリリス)
■ Ph3の開発製品一覧(2021.4現在)



アムジェンの国内MRの将来性
下記に現在発売中もしくは、後期臨床試験中の薬剤とその領域を示しています。新薬の数は豊富と一見思えますが、今後の競合やビジネス上、アムジェン国内のMRによる情報提供より販売ライセンス契約を結んで国内のトップメーカーに販売を依頼した方がより効率的な薬剤も多いように思えます。
今後のAmgen ジャパンの取り扱い製品(予測)
循環器系
循環器領域:レパーサ(コプロ:アステラス)、Omecamtiv(心不全/HFrEF)
循環器領域は、現在上市済みのレパーサと今後心不全(HFrEF)の治療薬が出るようです。Omecamtivは、HFrEFの治療薬なので、需要はあると思いますが、ノバルティスのエントレストや糖尿病治療薬のSGLT-2などとどう差別化できるのか臨床試験の結果に注目です。
整形領域
整形領域:イベニティ(コプロ:アステラス)、レミケード(バイオシミラー)
オンコロジー領域
ビーリンサイト(コプロ:アステラス), IMLYGIC(メルク共同開発)、ハーセプチン(バイオシミラー)、アービタックス(バイオシミラー)、リツキサン(バイオシミラー)
オンコロジー分野は、現在アステラスとコプロ中のビーリンサイトに加えメルクとキートルーダのコンビネーションでPhase 3を行なっているIMLYGIC、そして今後の大きな事業の柱となるバイオシミラー陣が続々と上市される予定のようです。
CNS領域
片頭痛治療薬(CGRP抗体):Aimovig
グローバルでは、ノバルティスとコプロモーションをしているようですが、国内はどうなるのでしょうか。国内では、イーライリリー、大塚製薬、そしてルンドベックとの戦いになります。どちらも神経内科領域ではかなりの存在感を示しているメーカーですので、かなりの苦戦する事が予想されます。
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